お別れの時は突然に
９年間、我が家を支えてくれた愛車 PEUGEOT 307 SW とお別れの時がきました。
2016年3月6日午後、子供の習い事のため家族全員を乗せて向かっていたところ、到着直前になってフロントガラスに水滴が。雨が降り始める天気予報だったので、「少し早めに降り始めたか？」と思い、妻と子供を先に降ろして地下駐車場へ向かいました。入り口のところで守衛さんに「ボンネットからすごい水蒸気が出てるから後で確認してください」と言われ、雨ではなかったと初めて気づく。確かにボンネット周辺からもうもうと白い水蒸気が上がっている。素人目にもただ事ではない。ラジエーターか？と頭をよぎるが、水温計は上昇していない。
急いで地下駐車場に駐車。エンジンを止めて急いでボンネットを開けるとこのありさま。
エンジンの前方より水が噴き出して、エンジンがビショビショ。下を覗くと、緑っぽい液体が滴っている。車を揺すってみるが、冷却液のリザーバータンクにはほとんど冷却液がない様子。あちゃー、ラジエーターだ。
よくよく見るとラジエーターに冷却液を送る根元がぱっくり割れてホースが外れている。
急いでいつもお世話になっているブルーライオンの工場長に連絡し、そのまま保険会社へ電話をしてレッカーを依頼。
レッカー車が来るまでに２０分ほどかかり、さらに地下駐車場の入り口がわからないだの、高さ制限に引っかからないか確認するためにレッカー車のサイズを測るだのして、結局作業開始までさらに１時間ほどかかる。
15分ほどの作業の後、レッカーされていきました。
この姿は、何度見ても悲しい。
この時は、まだ直してまた乗ろうと家族で話していました。直後の工場長の話でも、ラジエーターの故障を直すだけなら、７、８万だと聞いていたので。12月に車検を通したばかりで臨時出費だけど、思い入れがある車だから修理して乗ろうと決めていたのです。
しかし、その後事情が変わります。数日前から家のガレージのコンクリートにオイルが漏れていることに気がついていて、このレッカーされた翌日に見てもらうことにしていたのです。工場長にもオイル漏れも気になるから、見ておいてくれと言っておいたら、翌日に入電。
エンジンからオイルが漏れているから、大事になる。おすすめしない。
廃車か…
その後、工場長といろいろ話すも、結局のところこの後故障が続く可能性があるというところが判断の分かれ目。ラジエーターが壊れ、エンジンからオイルが漏れ、次に大物が来たらさらに修理費が必要になる。それを考えると、この車を治すのは得策でないと。
数日考えさせてくれと言って、その日は電話を切りました。
この車は私よりも、妻にとって大事な車です。
状況を説明し、廃車にすることを前提に気持ちの整理をつけようということにしました。
そしてその翌週末。家族でお別れに。
我が家のプジョーは、ブルーライオンの車両置き場に安置されていました。
愛車PEUGEOT 307SWを前に、妻を交えて工場長としばし思い出話。
この車は、我が家が一番大変だった時に、妻の貯金をはたいて、少しでも生活が楽しくなればと妻の希望で買った車。
辛いこともたくさんあったけれど、この車のおかげでなんとかここまでこれた。
家族の諸々のこともひと段落し、落ち着きを取り戻しつつあるこの時に、この車とお別れするというのも、良いタイミングだと思う。307SWは本当に我が家を支えてくれた。いろんなところに連れて行ってもらい、たくさん思い出を作ってれた。感謝してもしきれない。
私にとって、PEUGEOTは学生時代に憧れていた車です。306に続き206がよく売れた時期です。若々しく垢抜けた印象のPEUGEOTは、働いて貯金ができたら是非所有してみたいと想像を膨らませていました。実際、就職する前に、友人とブルーライオンに行き、106を試乗させてもらったこともあります。その友人と先日会ったら、中古でとても程度のいい206のMTを買ったと見せてもらいました。
上に書いたように、学生時代に憧れていた車に家族は支えられました。大変な苦しい時にもこの車に乗ってその場に臨み、帰りにはこの車に守られ励まされて帰ってきました。現実逃避するように景色の良いところに家族で頻繁に出かけ、絆を深め、気持ちを前向きにして帰ってきました。工場長の適切なアドバイスもあり、大きなトラブルもなくこの車とともに楽しい思い出がたくさんできました。
最後にいたっては、子供の習い事の初日になんとか送り届けなくてはと、ギリギリまで踏みとどまったようです。まるで生き物のように最後まで我が家のために踏ん張ってくれました。
我が家のPEUGEOT 307SW の最後のオドメーターは101,574Km。9年３か月頑張って支えてくれました。
ありがとう、PEUGEOT 307SW！
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