CB400SF Revo NC42 のブレーキパッドをチェック、交換したいけど、そもそもウェアインジケータってどれ?
きっかけは、タイヤのチェックをしていて、少しずつスリップサインがみえてきたなーとおもったこと。タイヤが減ってきているということは、ブレーキパッドはどうなっているのだろうか?
サービスマニュアルの4-8「ブレーキパッドの摩耗」には、
ブレーキパッドの摩耗を黙視で点検するブレーキパッドのウェアインジケータまでパッドが摩耗している場合は、ブレーキパッドをセットで交換する
とあります。
うーん、でも目視で見ても、どれがウェアインジケータかわからない。
このまま放っておいても不安で仕方ないので、ブレーキパッドを交換する前提で準備を進めます。
まずは道具と部品を調達
何はともあれ、道具と部品がないと始まらない。
ブレーキパッド
セカンドパーティー製のブレーキパッドもありますが、最初ですので純正部品を使います。ブレーキパッド、純正とサードパーティ製のものがありますが、どちらを使いましょう?非純正でいくならデイトナのゴールデンパッドかな。
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上の写真、どちらもほとんど一緒ですね orz…
なんといっても、ブレーキをさわるのは今回が初めてなので、おとなしく純正を使うことにします。この派手さも気にかかるところですが、次回のお楽しみにとっておくことにしましょう。
パーツカタログによると、私のCB400SF NC42 ABS の純正ブレーキパッドは以下のようになります。
フロント パッドセット 06455-MFA-D12 5,250円(税抜 左右各1セット)
リア パッドセット 06435-MEJ-016 5,100円(税抜)
以前クラッチレバーを注文したときと同じように、近所のホンダの店で取り寄せてもらいました。
店の親父さんがいうには、夕方3時30分までに注文を出すと、翌日の午前中に着くらしい。
ブレーキパッドのセット。
後輪用のブレーキパッド、開封してみました。
中には、各国語の取り扱い説明書が同封されています。もちろん日本語もあります。
新品だから、ピカピカ。前後方向は面取りがしてあります。
ちなみに、ABS非装着車の場合、
フロント パッドセット 06455-MFC-016 4,880円(税抜 左右各1セット)リア パッドセット 43105-MWO-415 5,750円(税抜)
です。
グリース
サービスマニュアルによると、ブレーキパッドを交換する場合、パッドピンのストッパリングにシリコングリスを塗布することになっています。当然我が家にありませんので、調達しなければなりませんが、何を買ったらよいものやら。私の周りには、バイクをいじる人はいないので、まずはサービスマニュアルを頼りにします。 サービスマニュアルの冒頭には、「シンボルマーク」という章があって、図の中で使っているシンボルマークについてかかれていて、シリコングリス塗布を示すシンボルマークには次のような解説がされています。
シリコングリス塗布を示す。 該当銘柄例:シリコングリスG-40M(信越化学)
近所の店をいくつかあたったのですが、見つからなかったので、一番安かったここで注文しました。
注文して届いたのがこれ。シリコングリスG-40M(信越化学)
メガネレンチとトルクレンチ
パッドピンとマウントボルトを外すためのメガネレンチが必要です。選んだのは次の二つ。
45°×6°ショートめがねレンチ M5S-0809 KTC(京都機械工具)45°×6°ショートめがねレンチ M5S-1012 KTC(京都機械工具)
さらに、今回は奮発してトルクレンチとソケットセットも購入。選んだのはこれ。
デジラチェ ヘッド交換式9.5sq.ラチェットヘッドセットTGEK040X132 KTC(京都機械工具)ソケットセット9.5sq TB305E KTC(京都機械工具)
デジラチェが安かったので、工具はまとめて注文しました。 注文して、数日で自宅に到着。
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デジラチェ。
ソケットセット。
後輪のブレーキパッドをチェック
さて、作業を始めます。
リアのブレーキパッド交換方法は、ABSの有無にかかわらず、同じです。
まず、キャリパをディスク側に押し込んで、ピストンを押し戻します。こうすることで、新品のブレーキパッドの取り付けが容易になるそうです。
このとき、リザーバタンクの液面の上昇に注意です。
パッドピンを緩めます。
8mmのメガネレンチでぴったりでした。
パッドピンを緩めた後、キャリパマウントボルトを取り外します。
キャリパマウントボルトは12mmのメガネレンチでぴったりでした。
キャリパマウントボルトを取り外して、キャリパ後部を持ち上げると、 ブレーキパッドがカタンと外れます。
パッドピンを抜いて、ブレーキパッドを取り外します。
取り外した、後輪のブレーキパッド。
裏側。
ピストンの跡、クッキリ。後輪側はピストン1個。ピストンのところには、放熱を考慮してか穴があいています。
後輪のブレーキパッドの新旧を、横から見たところ。
ここまで外して、ようやくわかりました。この写真に写っている、台形の穴が、ウェアインジケータです。ウェアインジケータまでブレーキパッドが摩耗すると、要交換。
サービスマニュアルの図では、よくわからなかった。
バイク屋でメンテナンスすると、「だいぶすり減ってるから、かえとかないとー」とかいわれるでしょうが、頻繁にチェックしているし、自分ですぐに交換できるから、もうちょっとがんばって使ってみます。
この、ウェアインジケータの穴、どこまで空いているのかも気になるし。
通勤に使いはじめて1年4ヶ月。走行距離約8000kmで、この減り方。
「このバイク、通勤が9割で、市街地ばかり走っているから」と言い訳しても、減り過ぎですよね、きっと。
取り外したマウントボルトとパッドピン。
どちらも汚れていますが、マウントボルトに付いている緑色のものは何でしょう。緑青でもあるまいし。
キャリパーを裏からみたところ。
指で支えてないと、落ちてしまいます。
キャリパの内面を清掃して、ピストンシールから液漏れがないか確認します。
外した部品をきれいにして、取り付ける前のグリスアップ。
といっても、サービスマニュアルに記載されているグリスアップは1カ所だけ。
ストッパリングに、シリコングリスを塗布します。
この、パッドピンの先端に付いている、輪っかがストッパリング。
何のためについているのかは分かりません。
ブレーキパッドを元どおりに装着して、パッドピンを取り付けます。ブレーキパッドを押し込んでから、ストッパリングを通す穴を少し持ち上げると、スムーズに装着できます。
キャリパを下に戻して、キャリパマウントボルトを締め付けます。
キャリパマウントボルトの指定トルクは、22.5Nmです。
最後に、パッドピンを締め付けます。指定トルクは18Nmです。
あともうちょっと、ってとこですね。
このデジラチェ、とっても使いやすかった。
リアルタイムでトルク値が表示されるし、設定したトルク値に近づくと「ピッピッ」と鳴って、最後に「ピー」と知らせてくれます。
とっても簡単。
フロントのブレーキパッドをチェック
次は、フロントのブレーキパッド。右側からはじめます。
キャリパをディスク側に押し込んで、ピストンを押し戻しておきます。
ここでも、リザーバタンクの液面上昇に注意です。
パッドピンを取り外します。
パッドピンを抜いたら、ブレーキパッドを取り外します。
ABS装着車は、キャリパマウントボルトを緩めることも抜くことも無く、ということは、キャリパを動かさずにブレーキパッドを交換します。
サービスマニュアルによると、ABS非装着車の場合、キャリパを取り外してからブレーキパッドを交換する手順が示されています。
取り外した、フロント右側のブレーキパッド。
横から見たところ。
リアほどには減っていませんでした。もうしばらく使えそうです。
気休めかもしれませんが、ブレーキパッドについたブレーキダストを落としておきました。
あと、裏面はきれいに清掃。
後輪のときと同じように、キャリパ内面を清掃し、キャリパピストンシールからオイル漏れがないか確認します。
前輪のパッドピン。
後輪と同じように、さきっぽについているストッパリングにシリコングリスを塗布します。
パッドスプリングがキャリパボディに確実に取り付けられていることを確認して、ブレーキパッドをパッドリテーナにあわせながら取り付けます。
ブレーキパッドをパッドスプリング側に押し込んだ状態でパッドピンを取り付けます。
パッドピンの指定トルクは18Nmです。
ブレーキの効きを確認
最後に、バイクを走らせる前にブレーキの効きを確かめます。
今回やってみたところ、後輪は最初からブレーキが効きました。
しかし、前輪側のブレーキは、ブレーキレバーを握ったところ、最初の一発目はスカッという感覚で手応えがなく驚きましたが、あわててもう一度握るとしっかり手応えがあり、ブレーキも効きました。ピストンを押し戻しているから、そうなるのでしょうか?
これが走行中だったら、恐ろしいところです。
やってみてどうだった?
案外簡単
言わずもがなですが、ブレーキは直接安全に関わる装置だけに慎重に扱うべきところですが、十分に予習して取り組めば自分でもできます。
ブレーキパッドの取り外しと取り付けができるだけのことですが、こんな効用があります。
- 自分でできるだけに、ブレーキパッドを気にすることが多くなる(ような気がする)
- 目視ででも、外してでも、自分で点検できて、ベストなタイミングでブレーキパッドを交換できる
- ブレーキをかけるときに、ブレーキパッドとピストンの動きが想像できる(ような気がする)
なんでも、自分でできるってことは、自信になりますよね。
道具に助けられた
エンジンオイルの交換で、ドレンボルトを締めたときもそうでしたが、バイクをいじっていてどうしても気になるのが、トルク管理。
やっぱり適正なトルク値でボルトを締められると、お墨付きをもらった感じで、納得感があります。
今回、デジラチェを使ってみて、とても満足でした。
高機能で、 さらにヘッドの交換もできるので、いずれいろいろな場面で使うことになりそうです。
なにより、リアルタイムでトルク値が確認できるのが面白かった。
さて、次はどこをさわろうかな
CB400SF Revoのブレーキパッドを交換(続編)もどうぞ。
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